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2025.09.16

どのくらい噛めているか知りたくないですか?

9月になり少しずつですが、朝晩の暑さが落ち着いてきましたね。 今回は、咀嚼能率(そしゃく のうりつ)について、お話しさせていただきます。 咀嚼能率とは、咀嚼(噛むこと)の能率 → どのくらい噛めているか? ということです。 一般的に、抜歯して歯のない部分が多くなってくると、咀嚼能率は低下する傾向にあります。 総入れ歯や、大きな部分入れ歯を装着している方は、咀嚼能率が低下している可能性があります。 咀嚼能率を調べるために、当院では専用のグミを噛んでもらうことで咀嚼能率を可視化することを行っています。 方法としては、グミを20秒間噛んでもらい、グミから出る液の濃度を計測するという簡単な検査です。 機器に表示される値が、100mg/dL未満で、咀嚼が十分にできていないと判断しています。 (写真の値は、129mg/dLのため、最低限の咀嚼はできているという判断になります) 義歯の装着前後にそれぞれ計測することで、以前より噛めているかどうかの目安にしています。 加齢によっても咀嚼能率は低下傾向にあるため、以前より噛めているかどうか(ないしは噛めなくなってきているのか)を重要視することが多いです。 高齢者の方や義歯を装着している方が対象になりますので、興味のある方はお声がけ下さい。

2025.08.18

神経のある歯とない歯では、何が違う?

今回は、「歯の神経がある歯とない歯で何が違う?」について説明します。 歯の神経とは、そもそも何でしょうか? 歯の神経は、正式には「歯髄(しずい)」と呼ばれ、歯の中心にある柔らかい組織になります。 神経だけでなく、血管も走行しており、必要不可欠な組織です。 神経がある歯は、痛みや温度の変化を敏感に感じ取ることができます。 「冷たいものがしみるけど虫歯かな?」の気づくことができるのは、この神経があるためです。 歯髄が歯に栄養を送っているため、歯自体も丈夫で長持ちしやすいというメリットがあります。 虫歯が歯髄まで達してしまうと、ズキズキと痛みが出て、神経を取る治療が必要になってしまいます。 神経の治療を既に行なっている歯(神経がない歯)は、痛みを感じにくいですが、その反面、新たな虫歯や異常に気づきにくいというデメリットがあります。また、神経がない歯は栄養が届かなくなるため、どうしても脆くなってしまいます。 具体的なトラブルとしては、歯が割れやすくなります。 歯の神経の治療が必要になる場合には、来院回数も多くなる傾向にあります。 治療回数など、疑問に感じる点があれば、遠慮なくお尋ね下さい。

2025.05.19

乳歯の歯の隙間は大丈夫?

5月になり暑いと感じる日も多くなってきました。今年もこの時期から熱中症には注意が必要ですね。 今回は、乳歯の隙間に関する話をさせていただきます。 お子様の定期検診の際、親御様から「子供がすきっ歯になっているけど大丈夫?」と心配されるお声を聞くことがあります。 回答としては、子供の歯(乳歯)の歯並びは、写真のように、歯と歯の間に隙間がある方が望ましいです。 理由は、大人の歯(永久歯)が生え揃っていく時に、都合が良いからです。 乳歯の時期の歯の隙間は、発育空隙(はついく くうへき)と呼ばれ、顎が正常に発育している結果です。 また、発育空隙は、永久歯へと生え揃うために必要なスペースになります。 乳歯より大きい永久歯が生えてくることを考慮すると、顎の成長と共に乳歯に隙間がある方が、永久歯の歯並びを考えると都合が良いです。 乳歯に隙間がないと、歯と歯の間から虫歯になりやすくなります。 乳歯の虫歯を放置してしまうと、結果的に、永久歯の歯並びが悪くなる要因にもなり得ます。 このように、最後には抜けてしまう乳歯ですが、しっかりと役割があります。 大切なお子様の将来のために、当院では定期検診でしっかりとしたアドバイスをさせていただきます。