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2025.05.19

乳歯の歯の隙間は大丈夫?

5月になり暑いと感じる日も多くなってきました。今年もこの時期から熱中症には注意が必要ですね。 今回は、乳歯の隙間に関する話をさせていただきます。 お子様の定期検診の際、親御様から「子供がすきっ歯になっているけど大丈夫?」と心配されるお声を聞くことがあります。 回答としては、子供の歯(乳歯)の歯並びは、写真のように、歯と歯の間に隙間がある方が望ましいです。 理由は、大人の歯(永久歯)が生え揃っていく時に、都合が良いからです。 乳歯の時期の歯の隙間は、発育空隙(はついく くうへき)と呼ばれ、顎が正常に発育している結果です。 また、発育空隙は、永久歯へと生え揃うために必要なスペースになります。 乳歯より大きい永久歯が生えてくることを考慮すると、顎の成長と共に乳歯に隙間がある方が、永久歯の歯並びを考えると都合が良いです。 乳歯に隙間がないと、歯と歯の間から虫歯になりやすくなります。 乳歯の虫歯を放置してしまうと、結果的に、永久歯の歯並びが悪くなる要因にもなり得ます。 このように、最後には抜けてしまう乳歯ですが、しっかりと役割があります。 大切なお子様の将来のために、当院では定期検診でしっかりとしたアドバイスをさせていただきます。

2024.09.30

歯周病と糖尿病の関係

9月末になり、ようやく夏のような暑さもひと段落して秋の気配を少し感じるようになってきましたね。 今回は、「歯周病と糖尿病の関係」についてお伝えします。 一般的に糖尿病になると免疫力が低下し、歯周病が悪化しやすくなります。 理由としては、 ① 高血糖状態が歯周病菌の増殖を促進する ② 免疫力が弱まり、歯周病菌に対する防御力が低下 などが挙げられます。 また、歯周病が悪化すると糖尿病のコントロールも悪化します。 歯周病菌による炎症が全身に影響し、インスリンの効きが悪くなり、血糖値が上がりやすくなることが理由です。 歯周病は糖尿病の「6番目の合併症」と呼ばれるほど、糖尿病患者さんにとって重要な問題です。 最近では、糖尿病手帳に歯科受診記録も記載できるようになりました。 これを活用して歯科と医科の連携も取りやすくなっています。 では、糖尿病の場合は、どのように歯周病を予防すればよいのでしょうか? 対策として、以下の5つが主に挙げられます。 1. 定期的な歯科医院でのメインテナンスを徹底する 2. 日々の口腔ケアを徹底する 3. 食生活を改善する 4. 禁煙(減煙)する 5. 運動習慣を確立する このように歯周病と糖尿病の両者は密接に関連していますので、予防・改善できように取り組んでいきましょう。

2024.07.29

麻酔の注射について知ってますか?

連日夏本番の暑さが続いていますね。 今回は、歯科治療で使用する麻酔(注射)に関してのお話をさせていただきます。 歯科治療で使用される麻酔の注射(局所麻酔薬)には、アドレナリンが添加されています。 アドレナリンには、血管を縮める作用(血管収縮作用)があることで、麻酔薬がその部位にとどまりやすくなります。 加えて、麻酔の効用を増強させたり、効用時間を長くする効果もあります。 しかし、一部は血液に溶け込んで血流に乗り、全身にも影響します。麻酔後に、”ドキドキするような気がした経験はありませんか?” これはアドレナリンが心臓にも作用し、心拍数や血圧を上昇させるために感じることです。 そのため、高血圧症や心臓に持病がある方は、アドレナリンが含まれている局所麻酔薬を使用する際には注意が必要です。 このような場合には、心臓に作用しないものが添加された局所麻酔薬を使用することで対応します。 このように、アドレナリンは麻酔効果を引き出す重要な成分になりますが、使用時には注意が必要な場合があります。 初診時にも、お薬の状況に関しては問診を行っていますが、麻酔使用時には再度確認させていただきますので、申告にご協力下さい。